地方分散化の必要性

現在物事の東京集中化に拍車がかかり問題化しています。一時遷都論が活発に行なわれ都市機能の分散化が真剣に議論された時期がありました。ところが遷都論は立ち消えになり、再び都市機能、情報などの東京一極集中化が活発になっています。政治、行政はもとより企業の本社も東京にあって経済活動も集中しています。東京の都市再開発化が活発に行なわれ、高層ビルが林立して大企業が活動の本拠地点として活動し、レストランやショッピングモールが併設されて平日、休日を問わず賑わっています。
医歯薬系の医療分野でも東京への一極集中化が認められます。最先端の技術や情報はまず東京へ集まり、大学の医学部、研究所で研究が進められ実際の臨床の場で活用されることになります。
医科大学や医学部も東京に集中しているため受験生が殺到して医師養成の授業が行なわれています。学会やシンポジウムも東京中心の傾向に変わりはありません。
米国では特にニューヨークやボストン、シカゴなどに有名な医療施設が散在しています。東京に医療技術が集中してしまうと地方医療の崩壊につながりかねません。医師不足や力量不足、救急患者のたらい回し、病院の閉鎖など問題は根深いものがあります。
さらに、東京で名医の診断、治療を受けるためにわざわざ上京してくる患者も後を絶ちません。せっかく上京してもわずかな診察時間で結局原因解明がなされぬまま地元に帰らざるを得ない場合も多いようです。医歯薬系の医療分野の一極集中を改め地方分散化を促進し、地方医療の崩壊を防がなければなりません。